大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)4188 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

第一審判決は所論のように被告人の自白を唯一の証拠として判示事実を認定した

のではなく、その他にAの検察官に対する供述調書及びB作成の鑑定書をも証拠と

して採用し、それ等を綜合して判示事実を認定したのであるから、所論憲法三八条

三項違反の主張はその前提を欠き採用することができない。

その余の論旨は単なる法令違反、事実誤認又は量刑不当の主張に帰し適法な上告

理由とならない。

弁護人石丸勘三郎の上告趣意について。

論旨は原判決に憲法三一条の違反があると主張するけれども、その実質は単なる

訴訟法違反の主張に過ぎないから適法な上告理由とならない。 (所論精神鑑定及

び実地検証の申請については、第一審第四回公判期日において、いずれも放棄せら

れ、裁判所が取調べない旨決定したこと記録四九六丁に徴して明らかである。また

第一審の当否を原審が判断する資料は、第一審が引用した証拠に限らるべきではな

く、記録にあらわれ、適法に証拠調べを経た全証拠によるべきこと当然である。所

論実況見分調書並に添附の写真は、第一審で証拠調べを経ているのであるから、そ

れ等が第一審判決の証拠に引用されていないからとて、原審がこれ等を右のような

判断の資料としたことに所論のような違法はない。)

また記録を精査しても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条一八一条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

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昭和三〇年五月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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